複雑で面倒なことほど率先して解消することで社内は活性化していく

【下請け脱却マニュアル:深掘り編】

STEP-6「社内 PM・現場管理システム化」――粗利を守り品質を下げない“デジタル施工管理”の実践

こんにちは。アルクス株式会社の上内隆之です。
シリーズ最終回となる今回は STEP-6:工程・原価・品質を一元管理 する仕組みを深掘りします。キーワードは 「ロスの可視化 ⇒ 最適化 ⇒ 利益創出」 です。


1️⃣ 現場には“見えないロス”が山ほどある

現場ではさまざまなロスが起こっている。それによって余計な経費が掛かっていることと、人のモチベーションまで影響している。たとえば、ダラダラと仕事をしている姿勢が他の職人に伝染し、さらに大きなロスを生む――この連鎖に気づかないといけない。

ロスの種類典型例数字インパクト
待ち時間材料未着で“手待ち”1h10人現場=人件費6,000円/h 消失
二度手間・手直し仕様変更連絡漏れ → 再施工材料ロス+追加工賃=粗利▲5pt
移動ロス道具の置き場所バラバラ1人あたり歩行距離1.5km/日
モチベーションロス“早く終わると損”の空気作業ペース80%→工期遅延

隠れたロス=利益の埋蔵金。まずは “どこで何が失われているか” をデータで炙り出すことが第一歩。


2️⃣ ロスを見える化する“7つの視点”

視点ANDPAD 等での取得データ改善指標
工程ガントチャート進捗%遅延件数/月
原価工種別予算 vs 実績原価ブレ率▲15%
品質検査指摘・クレーム件数再工率▲40%
安全KYシート/ヒヤリハット事故ゼロ日数
進捗写真日次アップロード枚数共有漏れ件数ゼロ
チャット職人⇔監督 既読率情報遅延時間▲60%
モチベーション週次ワンバイトアンケート“不満”回答率▲50%

3️⃣ ANDPAD導入 3ステップ実装ロードマップ

ステップ期間やること成功のコツ
① パイロット1か月現場監督1名×小規模現場1件でテスト機能は工程・写真・チャットの最小構成
② 標準化2〜3か月全監督・全職人にアプリインストール
現場ごとテンプレ作成
ルールをA4一枚マニュアルに落とす
③ ルール運用4か月目〜原価入力・検査チェックを必須化毎週“現場ダッシュボード”を朝礼で共有

TIP:入力を複雑にしない。“スマホ3タップで完了”を目指すと定着率が爆上がりします。


4️⃣ 数字でみる BEFORE▶AFTER

指標BEFOREAFTER(6か月)
工程遅延件数7件/月1件/月
原価ブレ+8%+1%
クレーム率3.5%1.8%
現場1件あたり粗利22%29%
職人アンケート「やる気が出る」回答38%72%

利益の源泉は“ロス削減 × 仕事のやりやすさ”。数字だけでなくモチベーションまで改善するのがシステム化の本質です。


5️⃣ さらなるロス削減を生む “4つの最適化トリガー”

  1. 前日17時アラート
    • 資材搬入・職人手配の未完了をアプリが自動通知 → 手待ちゼロ
  2. 現場ダッシュボード可視化
    • 進捗・原価・品質をTVモニター投影 → ダラダラ作業に“見られている緊張感”
  3. AI写真解析 × 検査自動判定(β)
    • コンクリ打設の表面ひび割れを即検知 → 手直し費▲80%
  4. 歩行距離ヒートマップ
    • GPSタグで無駄な往復導線を発見 → 道具配置変更で移動ロス半減

6️⃣ よくある抵抗と解決策

抵抗原因解決策
「入力が面倒」操作フローが長いチェックボックス+音声入力に置換
「監視されてるみたい」評価制度と連動していない情報共有→学習のためのデータと周知
「紙の方が早い」現場Wi-Fi弱い現場Wi-Fiルーター貸与+オフライン入力可設定

まとめ:ロスを削る=利益を増やす最短ルート

  1. 現場ロスは“利益の埋蔵金”。写真・工程・原価を一元可視化せよ
  2. ANDPAD 等を“スマホ3タップ”で運用 → 定着&劇的改善
  3. モチベーションロスにもメス。見える化+成功共有で“ダラダラ伝染”を断つ
  4. “ロス削減→粗利UP→再投資”の好循環が、元請け体制を盤石にする

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―― ロスだらけの現場を最適化し、
粗利とやる気が増える施工体制 を今日から築きましょう!


著者:アルクス株式会社 上内隆之

https://youtu.be/EiGioyYaovo

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