なぜ、会社というものは放っておいたら おかしく なっていくのか?
―― “集団エントロピー” を抑え、社員を一体化させる統率メソッド

こんにちは。アルクス株式会社の上内隆之です。
「気がつけば社内がバラバラ」「同じ方向を向いていない」――
創業当初は熱量でまとまっていたはずの組織が、時間とともに ぐちゃぐちゃ になっていく現象を多くの経営者が経験します。
本稿では
- 会社が放置すると崩壊するメカニズム
- “集団エントロピー” がもたらす4大損失
- 統率→一体化→強靭組織 に変える5ステップ
を深掘りします。
1️⃣ 「放っておくとおかしくなる」3つの構造
a. 多様な思惑エネルギー
- 会社は“異なる価値観・利害”を持つ人の集合体。
- 何もしなければ最小抵抗=自分都合へ流れる。
b. 見えない情報の壁
- 部署サイロ・暗黙知・上下格差で情報がブラックボックス化。
- 誤解・憶測が膨らみ、不信と派閥を生む。
c. 動機の希釈
- 成果が正当に認識・報酬されないと「やっても無駄」思考へ。
- 熱量→冷却→惰性 のスパイラルが始まる。
2️⃣ “集団エントロピー” がもたらす4大損失
損失 | 具体症状 | 推定コスト* |
---|---|---|
① 生産性ロス | 二重入力・やり直し・待ち時間 | 人件費の8〜15% |
② 機会損失 | アイデアが上がらず新規事業ゼロ | 売上成長率▲5〜10pt |
③ 離職・採用ロス | “会社利用”人材の流入→良い人材流出 | 採用費+引継ぎで年300万円/人 |
④ メンタルヘルスロス | 疲弊・対立→休職・欠勤 | 稼働率▲5pt |
*当社顧問先 30 社の平均値から換算
3️⃣ 統率 → 一体化 → 強靭組織 へ変える5ステップ

STEP | やること | 成功指標 |
---|---|---|
STEP 1|方向の一本化 | 3年ビジョンをA4マップ+“北極星KPI”を3つ明示 | 認知度90% |
STEP 2|情報の透明化 | KPIダッシュボード・プロジェクト進捗を全社共有 | “知らない”発言ゼロ |
STEP 3|役割と裁量の明確化 | RACI表+グレード基準を公開 | タスク重複▲50% |
STEP 4|承認と報酬の連動 | Good Job即承認+粗利/成果連動賞与 | 自主提案数×3 |
STEP 5|学習と挑戦のリズム | 失敗共有LT+月1スキル研修 | 離職率▲10pt |
▼ 具体施策イメージ
- ビジョンマップ:売上・粗利・社会的価値を1枚の絵に。
- 週次タウンホール:10分 Zoom で CFO が数字を読み上げ。
- RACI:Responsibility, Accountability, Consult, Inform を Googleシートで色分け。
- Slack #good-job チャンネル:称賛→経営陣が即リアクション👑
- 失敗LT(ライトニングトーク):「ミス→学び→次のアクション」を5分で共有。
4️⃣ ケーススタディ:施工会社 M社(35名)
指標 | 改善前 | 8か月後 |
---|---|---|
重複タスク件数/月 | 42 | 9 |
自主提案数/月 | 4 | 31 |
粗利率 | 21% | 29% |
離職率 | 18% | 6% |
要因:北極星KPI+ダッシュボード+RACI+承認文化の導入。
「放っておくとバラバラ」だった組織が “自走するチームの集合体” へ転換。
5️⃣ 今すぐできる エントロピー測定5問
質問 | Yes / No |
---|---|
① 今期の最重要KPIを全社員が言えるか? | □ |
② 部署横断で情報共有する週次仕組みがあるか? | □ |
③ 役割・責任が重複していないか? | □ |
④ Good Job を即時共有・承認する文化があるか? | □ |
⑤ 直近30日で“失敗から学んだ共有会”を開催したか? | □ |
Yes 3つ未満 → エントロピー上昇警報。今日から手を打ちましょう。
まとめ:放置=エントロピー増大、統率=強靭化
- バラバラの思惑は自然法則、放置すれば混沌へ
- 情報・方向・動機を揃えれば 自走×ワクワク の組織に進化
- 5ステップで 統率 → 一体化 → 強靭化 は誰でも再現可能
「自社のエントロピーを測ってほしい」「北極星KPI・RACIを一緒に作りたい」
月5万円の経営顧問サービスで、設計から運用・改善まで伴走します。
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―― 放っておけば崩壊、手を掛ければ進化。
強靭な一体組織 に変えるのは、今この瞬間の “統率” です。
著者:アルクス株式会社 上内隆之
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