会社や組織を “思い通りにコントロールできない” 本当の理由
—— 社員がワクワクしない職場は、惰性コストで静かに倒れていく

こんにちは。アルクス株式会社の上内隆之です。
「ルールも仕組みも決めたのに動かない」
「声を掛けてもメンバーが自発的に考えない」
──多くの経営者や管理職が抱えるジレンマです。
けれど 組織が動かないのは “人が悪い” からではなく、“環境と方向性” が悪いから。
本稿では
- コントロール不能の構造
- モチベーションを殺す “3つの惰性コスト”
- 「ワクワクが回る」環境設計 5ステップ
を深掘りします。
1 “思い通りに動かない組織” の正体
視点 | 経営者の思惑 | 現場の現実 |
---|---|---|
目的 | 「〇%売上UP」 | “自分の仕事量が増えるだけ?” |
情報 | 経営計画書に細かく明記 | そもそも知らない/読んでいない |
評価 | KPI で公平に評価 | 成果と給与がリンクしない感覚 |
感情 | 協力して当然 | 「なぜやるの?」の腹落ちゼロ |
結論:コントロール不能は “人” ではなく“前提のズレ” が原因。
まず 〈目的・情報・評価・感情〉を一致させる環境 が必要です。
2 モチベーションを殺す “3つの惰性コスト”
惰性コスト | 具体例 | 失われるもの |
---|---|---|
① 目的不明コスト | 会社の進む方向が示されず、仕事が“作業”化 | 行動スピード▲30% |
② 無駄蔓延コスト | 部署・職種ごとに情報が閉じる | 再作業・待ち時間▲15% |
③ 結果無視コスト | がんばっても評価・成長が見えない | 離職率+12pt /採用効率▲ |
惰性コストは目に見えず、静かに粗利を削り続ける。1人あたり月2万円の生産性ロスとすれば、30人の会社で年間720万円が“気づかない赤字”になります。
3 「ワクワクが回る環境」 をつくる 5 ステップ

STEP | やること | チェックポイント |
---|---|---|
STEP 1|北極星を示す | 3年後ビジョンをA4一枚・図解で共有 | 誰でも60秒で説明できる? |
STEP 2|ロードマップを部門別に落とす | 年→四半期→月のKPIツリー化 | 自部署のKPIが“数字”で見える? |
STEP 3|見える化ボード | 売上・進捗・成功事例をリアルタイム表示 | 毎朝2分で自分の位置がわかる |
STEP 4|“小さな勝利”を称える儀式 | 週次でGood Job共有+拍手+スタバ券 | 承認を“言語化・公開”できているか |
STEP 5|キャリアと報酬を連動 | スキルグレード表+粗利連動賞与 | 「ここで成長=年収UP」が腹落ち? |
▼ 変化イメージ
- 目的が分かる → 自分の行動が意味を持つ
- 数字で見る → 改善案が自発的に出る
- 称賛される → 仲間を巻き込むリーダーが誕生
- 小さなチーム が次々と成果を出し、会社全体が動き出す
4 実際に起こった BEFORE▶AFTER(外構リフォーム30名)
指標 | 環境整備前 | 6か月後 |
---|---|---|
週次KPI共有率 | 15% | 95% |
自主提案数/月 | 3件 | 28件 |
粗利率 | 19% | 26% |
離職率 | 21% | 8% |
要因は ①北極星1枚図 ②数字の公開 ③称賛習慣 の3点セットのみ。環境が変われば人は動く典型例です。
5 チェックリスト——今すぐ出来る“環境診断”
質問 | YES / NO |
---|---|
各チームが自部署のKPIを毎週更新しているか? | □ |
代表のビジョンを新人が1分で説明できるか? | □ |
社員の“Good Job”をその日のうちに全社共有しているか? | □ |
粗利やキャッシュ残高を社員が把握できる仕組みがあるか? | □ |
昇給・賞与条件が数字で明示されているか? | □ |
3つ以上 NO なら、組織は“惰性コスト”で出血中です。
まとめ:会社はコントロールするものではなく、“ワクワクで動く仕組み” を設計するもの
- 目的・情報・評価・感情 を一致させれば、人は自ら考えて動く
- 惰性コストを潰すだけで 粗利+数%・離職▲数% が即実現
- 小さなチーム単位で「北極星→数字→称賛」を循環させる
「自社の環境診断を詳しくしてほしい」「KPIツリーと称賛制度を一緒に作りたい」
月5万円の経営顧問サービスで、組織設計から運用・改善まで伴走します。
アルクス株式会社へのお問い合わせはこちら
―― 思い通りに動かない組織 から、
自走し続ける“ワクワク集団” へ変革しましょう!
著者:アルクス株式会社 上内隆之
この記事へのコメントはありません。