会社というのは バランスがとても大事
―― 優秀な社長でも “噛み合わない組織” では成果が出ない。そして 社長の器 がすべての歯車を整える

こんにちは。アルクス株式会社の上内隆之です。
「戦略は完璧なのに現場が動かない」「幹部が理解してくれない」——そんな声を経営相談で頻繁に伺います。
多くの企業トラブルは、能力不足 ではなく バランス崩壊 から始まります。本稿では
- 組織バランスが崩れるメカニズム
- “噛み合わない”を生む3つの断絶ポイント
- 会社を整える 社長の器(うつわ) の深掘り
- 明日からできるバランス回復チェックリスト
を解説します。
1️⃣ なぜ “優秀な社長” でも組織が噛み合わなくなるのか?
歯車 | 役割 | よくあるズレ | 発生タイミング |
---|---|---|---|
ビジョン | 会社の目的地 | 「掲げただけ」で浸透しない | 事業拡大・新規参入時 |
戦略 | 進む道筋 | 幹部が理解せず独自解釈 | KPI変更・権限移譲時 |
現場実行 | 日々の行動 | “WHY” なく作業に堕落 | 多忙・人員増加時 |
ポイント:ビジョン → 戦略 → 実行 の“同期ズレ”が、
売上減・離職増・遅延・二度手間 を連鎖的に引き起こす。
2️⃣ 噛み合いを失う 3つの断絶ポイント
断絶 | 症状 | 数字インパクト | 処方箋 |
---|---|---|---|
① 情報断絶 | 幹部会議の内容が現場へ落ちない | 残業▲・粗利▲ | 週次“1枚サマリー”と社内SNS共有 |
② 感情断絶 | 幹部間で意見対立→無視 | 離職率↑ | 1on1+合意形成フレーム(決裁区分) |
③ 時間断絶 | 現場が忙殺→改善PJ停止 | 改善案件延期→機会損失 | 改善タスクに“曜日固定2h”を割当 |
3️⃣ 社長の器=“4つの容量” を測れ
容量 | 中身 | テスト質問 |
---|---|---|
① ビジョン容量 | 組織を“1フレーズ”で導く力 | 「自社の目的地を15秒で?」 |
② 噛み砕き容量 | 難しい戦略を現場言語に翻訳 | 「現場は明日から何を変える?」 |
③ 受け止め容量 | 幹部の反論・現場の不満を吸収 | 「最後に部下の意見で自説を変えたのは?」 |
④ 余白容量 | 多忙な中でも考える時間を確保 | 「週に“戦略時間”を何時間取る?」 |
▶ 器が小さいと?
- 情報断絶→幹部がサイロ化
- 感情断絶→対立放置
- 時間断絶→戦術だけで日々が終わる
▶ 器を拡げる3習慣
- 週5時間 “考えるだけの時間” をカレンダーブロック
- 毎朝15分“1フレーズで会社を説明”するセルフトーク
- 月1 “アンラーン・デー”:過去成功パターンを疑う読書・外部勉強会

4️⃣ バランス回復チェックリスト(今日から実践)
No. | 質問 | Yesなら◎ |
---|---|---|
1 | 会社のビジョンを全社員が暗唱できるか? | □ |
2 | 重要指標(KPI)を週次で共有しているか? | □ |
3 | 幹部会議と現場朝礼で“同じ用語・数字”を使っているか? | □ |
4 | 社長の戦略時間が週5h確保されているか? | □ |
5 | 不満・反論を安全に吐き出せる1on1文化があるか? | □ |
6 | 成功・失敗を“仕組み”に落とすルールがあるか? | □ |
4つ以上 □ が付けば バランス良好ゾーン。
3つ以下なら、器と情報伝達ラインを整えるタイミングです。
まとめ:バランス経営=ビジョン・戦略・実行の“同期術”+社長の器
- 同期ズレ が利益・士気をじわじわ食い潰す
- 社長の 4容量 が組織バランスの上限値
- “器を拡げる習慣” と “情報・感情・時間” の3断絶ケアで歯車が噛み合う
- バランスが取れた会社は 同じ戦略でも2倍の成果 を上げられる
「自社のバランスを客観診断したい」「器を拡げるコーチングを受けたい」
月5万円の経営顧問サービスで、診断→設計→習慣化まで伴走します。
アルクス株式会社へのお問い合わせはこちら
―― 社長の器が整えば、組織の歯車は音を立てずに回り出す。
まずは1フレーズで会社の目的地を語るところから始めましょう!
著者:アルクス株式会社 上内隆之

この記事へのコメントはありません。